ダイオキシン、PCBなどの環境化学物質の胎生期曝露は脳発達に大きな影響を及ぼすことが示唆されているが、ヒトの神経分化に対する影響の解析は十分でない。本研究では、ダイオキシンの作用点として知られるAhRならびにArntの神経分化における機能を解明し、これらを介した化学物質曝露影響について研究を行った。 その結果、AhR/Arntをノックダウンしたヒト胎児由来神経前駆細胞の神経系への分化が阻害されることが観察された。また、脳発達にかかわる甲状腺ホルモン受容体:TRとAhR/Arntとの関係について解析し、TRとArntは相互に結合し、TR標的遺伝子の発現を制御していることが示唆された。
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