研究課題/領域番号 |
26870447
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
森 大輔 熊本大学, 法学部, 准教授 (40436499)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 質的比較分析 / QCA / ブール代数 / ファジィ集合 / 判例研究 |
研究実績の概要 |
平成26年度に刊行することができた研究実績は残念ながらなかった。ただ、本科研費の申請時に行う予定に含めていた、国際司法裁判所(ICJ)の判決の遵守のデータについての、質的比較分析(QCA)を用いた分析については、その基礎となる研究を、本科研費交付直前の2014年3月に森大輔「国家間の紛争解決での裁判の有効性と限界―複数事例の質的比較分析―」安川文朗・石原明子編『現代社会と紛争解決学―学際的理論と応用』として刊行している。平成27年度に当初行う予定とされている研究は、これをさらに発展させるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成26年度に刊行することができた研究実績がなかったため、進行は遅れているといえる。平成26年度に当初行う予定であった研究として、平成26年度には,まず,具体的な法的事例へのQCAの適用を試みる.その際の法的事例としては,米国の弁護人依頼権の判例等についてQCAによるデータ分析を、以下の様なステップを踏んで行うというものがあった。(1) 先行研究等を調べ,ファクターだと考えられるものを列挙する.(2) 個々の事例が(1)で考えたファクターのどれを持っているかをまとめたデータを作成する.(3) (2)のデータを真理表と呼ばれる表に変換する.(4)真理表から論理式を導く.(5) 導かれた論理式を解釈する.このうち、平成26年度で行うことができたのは、(1)の途中までである。先行研究を調べたところ、ファクターとして使用しているものの数が多く、その絞り込みをいかに行うべきかといったところに時間がかかっているため遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、前年度に行う予定でありながら、十分に進めることができなかった米国の弁護人依頼権の判例等についてQCAによるデータ分析を、優先的に進めていくことにしたい。先の達成度の欄に記述した5つのステップのうち、前年度に行うことができたのは、(1)の先行研究の調査までであった。そこで、本年度は(1)を完全に終え、(2)以降のデータを作成してデータ分析を行う段階にかかりたい。そして、本年度中に、日本語で論文を刊行することを目標に進めていくこととする。平成27年度に当初行う予定であった国際司法裁判所(ICJ)に関するQCAでの分析は、研究実績の概要で述べたように、既に基礎となる研究はあるものの、前年度の研究が残っているため、それを終えた後に進めていくことにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じたが、2000円程度のみであり、予算をオーバーしないように使おうとした結果である。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額については上に述べたようにわずかである。物品購入費での書籍の購入での使用を予定している。
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