本研究は機能的絶滅の閾値を明らかにすることを目的としている。琉球列島の58島について、種子散布者としてのオオコウモリと餌植物の密度推定を行った。また植物に関しては文献調査も行った。クビワオオコウモリの分布は基本的にはオオコウモリ類の本来の分布域である熱帯から離れるにしたがって、分布が飛び石状になる傾向が見られた。オオコウモリと強い共生関係にあることが予想される大型のFicus属の種やイルカンダとの分布の一致度は低く、明確な関係は見いだせなかった。モモタマナとリュウキュウガキでは、オオコウモリの分布との一致度が高く、種子散布をオオコウモリに強く依存している可能性が示唆された。
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