研究課題/領域番号 |
26870467
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
教科教育学
教育学
|
研究機関 | 東邦大学 (2015-2018) 岩手県立大学 (2014) |
研究代表者 |
八木 美保子 東邦大学, 理学部, 講師 (50460035)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 高度経済成長 / 職業指導 / 集団就職 / 中学校 |
研究成果の概要 |
本研究によって明らかになったのは、職業安定所(以下、職安)と中学校教員の連携による就職指導・斡旋・補導が行われたことにより、都市部出身者と地方出身者が得られた職業の格差が抑制された可能性である。先行研究によって明らかになっていたは、集団就職の厳しさと、都市部出身者に好条件の企業が斡旋され、地方出身者にはそれに比して厳しい条件の企業が斡旋されたことによる格差の助長であり、中学校はそれらの加担者側として批判されてきた。 しかし本研究により、卒業生の安定した生活や労働のために職安の制度を利用して補導を継続し、斡旋する就職先を選別する教員の実践の一端が明らかになった。
|
自由記述の分野 |
教育学、カリキュラム論
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、高度経済成長期の日本における中学校の役割を、主に職業指導に焦点をあて、生徒・教員両者の当事者の経験の視点から明らかにしたことである。 日本の高度経済成長期における中学校の役割は、労働政策や教育社会学の視点から批判的に検証されてきており、その実態が明らかにされている。しかし、高度経済成長期に中卒集団就職を経験した人々が何を考え、何を経験したのか、さらに中学校(の教員)はそこにどのように関わったのかについては十分に明らかにされていなかった。変化する時代状況の中で、学校教育が担うべき本質的な役割は何なのか、その一端を本研究において追究することができた。
|