本研究の目的は,高校生のための子宮頸がん予防教育プログラム(以下,教育プログラム)を開発,実施し,その有効性と適用性について検証すること,さらに,開発した教育プログラムの普及に向けて,東北地方A県内における地域・学校の協働ネットワークを構築することである。 今年度は,開発した教育プログラムを発信するために,論文およびパンフレットを作成した。論文については,女子高校生を対象にしたプログラムの有効性の検証結果を公表した。ならびに,リプロダクティブヘルス・ライツの観点から,男子高校生に実施した教育プログラムの有効性を検証した結果を学会誌に投稿した。現在,2回目の査読結果待ちである。 パンフレットは,国内外の研究者および実践家向けに研究成果をまとめ,関係機関へ配布した。今後はWeb上で公開予定である。当初は,日本語のホームページの作成を計画していたものの,研究成果を国内外に発信することを目的に,英文による表記とした。これにより,成果を広く発信し,本プログラムに関心を寄せていただくための基盤の1つを築くことができた。 教育プログラムの実施については,問合せのあった高校の教諭や自治体について,個別対応を行った。日程調整が困難であり,教育の実施には至らなかったものの,次年度の実施に向けて調整を続けている。また,個別対応を行った機関から,別の機関の紹介,相談を受けることが少なくなく,地域・学校の協働ネットワークを地道ながらも着実に拡大することにつながった。
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