ウェザーニューズから提供された「減災リポート」データと,国立情報学研究所「デジタル台風」とGlobal Disaster Alert and Coordination Systemから取得した気象・災害情報をリアルタイム表示する地図システム「台風リアルタイム・ウォッチャー」を開発し,Web公開した.公開直後に上陸した2014年度台風第8号において,TV・新聞・ネットメディアにより8件の報道がなされた.これらの報道内容がソーシャルメディアで拡散され,3日間で30万件(ページビュー)を超えるアクセスがあり,好意的なユーザコメントが多数寄せられた. さらに,2014年度台風第11号・19号,平成26年度広島豪雨,平成26年度御嶽山噴火,平成27年度9月豪雨などの発生に合わせて「減災リポート」のカテゴライズフィルタを改善した結果,台風以外の災害にも対応可能となった.また,オープンソース・ソフトウェアCesiumを活用し,スマートフォン・タブレット端末からも閲覧可能とした. この結果,災害の発生タイミングに合わせてアクセス数が増加し,これまでに,60万件(ページビュー)以上のアクセスがある.また,ソーシャルメディアでも好意的なコメントが多数寄せられている.これらのことから,研究代表者らの手法は効果を発揮しており,災害速報システムとして社会に定着しつつあると推測する. 研究の成果について,国際会議発表4件(うち基調講演1件),招待講演14件を実施した.また,受賞2件,招待論文1件の成果を挙げた. 加えて,インドネシアにおいて国際ワークショップを実施し,本研究成果の国際展開について討議を行った.また,ハーバード大学ライシャワー日本研究所が提供する「東日本大震災デジタルアーカイブ」に「減災リポート」のデータを提供し,共同研究を開始した.
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