近年、言語処理における右半球機能の役割が注目されている。本研究では、脳波と半視野瞬間提示法を用いたプライミング課題を用いることで、左右大脳半球におけるカテゴリー特異的な語彙-意味処理過程の有無を検討することを目的とした。意味素性の処理が非常に速い潜時から行われていることを示すとともに、その処理は右大脳半球において動物カテゴリーに特異的に行われるものである可能性が示唆された。本研究のパラダイムを用いて、言語発達過程での意味処理における左右大脳半球の機能分化の過程を明らかにすることで、意味処理の脳内基盤のさらなる解明が見込まれる。
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