申請者らは長年、有機化合物そのものに磁性と抗がん作用を持つ鉄錯体であるFe(Salen)の研究を行い、結晶構造解析により同定した磁場発生構造を、市販医薬品であるタキソールに化学結合させることで、「市販のタキソールの薬効成分自体を磁性化すること」に世界で初めて成功した。この磁性タキソールは化合物自体が磁性体(磁石に引き寄せられる)の性質を持ちながら、且つ市販のタキソール同様の抗腫瘍後果作用を持つ。本申請では医工連携から生まれた市販医薬品の薬効成分を磁性化した磁性タキソールを用いて乳がんをはじめとしたがんに対する新規治療法を開拓する。
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