α-シヌクレイン(aSyn)はレビー小体の主要構成分子であり、その高い発現は神経変性に深く関与すると考えられている。本研究ではパーキンソン病の進行に伴って障害を受けやすい脳部位に着目し、マウス脳内におけるaSynの発現解析を行った。迷走神経背側運動核や黒質緻密部に存在する神経ではその高い発現を観察することができた。また、興奮性シナプスの多くはaSyn陽性であるのに対し、抑制性シナプスにおける発現は脳部位によって大きく異なっていた。以上の結果から障害を受けやすい部位では、ヒト脳においてもaSynの高い発現が推察されるだけでなく、その発現が神経細胞の種類により厳密に制御されていることを示している。
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