内耳有毛細胞/小脳顆粒細胞において、アクチン細胞骨格の制御因子であるRac1とRac3をダブルノックアウトマウスした作成した。Rac1,3はいずれも内耳有毛細胞に発現し、活性化していることを確認(後者に関してはFRETバイオセンサートランスジェニックマウスを用いて確認)したが、このマウスは聴覚の発達と機能維持に関して異常を示さなかった。一方で、小脳に関しては内顆粒層の部分的な形成不全(一部では消失)を呈し、生後数日で歩行を開始する段階から著明な失調性歩行を呈した。Rac分子種は聴覚の発達や機能維持には寄与しておらず、小脳顆粒細胞層の形成に必須であることが判明した。
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