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2014 年度 実施状況報告書

運動による腸管免疫の変化:抗菌ペプチドdefensinと腸内細菌叢の関係

研究課題

研究課題/領域番号 26870499
研究機関愛知東邦大学

研究代表者

谷村 祐子  愛知東邦大学, 人間学部, 助教 (90551458)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード腸内細菌叢 / T-RELP / 自発運動
研究実績の概要

近年,腸内細菌叢の変化は代謝や内分泌,免疫など全身に影響を与えることが知られてきた。本研究の目的は、運動によって、腸内細菌叢・抗菌ペプチドであるdefensinが変動するかについて検討することである。今年度は、低強度運動でありストレスが少ないとされる自発性運動を用い、マウス(Balb/c 雄性)糞便中の腸内細菌叢が変化しうるかを検討するために、経時的にサンプルを採取した。実験は個別飼育を行い運動群の自発運動にはランニングホイールを用いた。これらの運動量は全て回転数で記録した。
その結果、実験開始から16週間後の運動群の糞便は、非運動群と比較して全菌種に対するLactobacillales目群の割合が高かった。また運動群の16週間後のBacteroides群の割合は4週間後のものと比較して有意に低下していた。運動群と非運動群の比較においても、12週間後と16週間後の運動群のBacteroides群は非運動群のものの割合よりも少なかった。以上のことから自発性運動はマウス糞便における腸内細菌叢を変化させるということが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

所属先の変更に伴い、実験環境が大きく変わり当初の予定通りには進まなかった。しかし、長期間の自発運動における腸内細菌叢の変化を確認することができた。これは平成27年度の当初計画の一部を遂行することとなった。また、DSS(Dextran Sulfate Sodium Salt)腸炎改善を報告している先行研究と同様の運動プロトコルにて、腸内細菌叢の変化及びDSS腸炎の改善度を検討したが、DSS腸炎の改善が認められなかった。よって、DSS腸炎改善指標とした免疫パラメータと腸内細菌叢の関連性を検討するには難しいことが確認されたため、異なる方法を検討したい。また、次年度は腸内のdefensinの発現について検討を行うことで、腸内細菌叢との関連の考察を深めたい。

今後の研究の推進方策

本研究の目的である、運動による腸内細菌叢の変化は確認できたものの、期間・強度についてはまだ検討の余地が残る。また、defensinを含めた免疫パラメータとの関連については考察されていない。腸内細菌叢についても、菌種の同定や、菌の存在そのものについても検討していきたい。
次年度は、上記のことを中心にした2点について検討を行う。①既存のサンプルを用いて、運動によって変動した菌種の同定を行う。②運動によって腸内細菌叢が変化した個体の腸において、既存の免疫パラメータを測定し、defensinと腸内細菌叢の関係について探る。

次年度使用額が生じた理由

本研究では、所属先に実験施設がないことから、実験を行ったサンプル解析を委託した。また、実際に実験を行うにあたり、以前の所属先にて作業を行う必要があったため、実験計画が当初予定していたものと違うことが大きく影響している。それに伴い、研究計画も平成27年度に行うものを前倒しで行うことにした。よって、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

翌年度との助成金と合わせて、サンプル解析にかかる消耗品・委託費の一部として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 運動による腸への刺激2014

    • 著者名/発表者名
      谷村 祐子, 青井 渉, 内藤 裕二, 高木 智久, 水島 かつら, 東村 泰希, 吉川 敏一
    • 学会等名
      第69回日本体力医学会大会
    • 発表場所
      長崎大学(長崎市、長崎県)
    • 年月日
      2014-09-19 – 2014-09-21

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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