本研究は、肝硬変から肝がんが誘発される分子機序の解明を最終目的として、まず胆汁酸受容体Farnesoid X receptor (FXR)の肝星細胞活性化抑制作用に基づいた分子機序解析を行った。肝臓を構成する細胞の中でも肝星細胞にFXRが高発現していることが分かった。主要胆汁酸の中でもリトコール酸 (LCA) が、肝星細胞の活性化抑制を示した。合成FXR活性化物質の中でもGW4064も同様に肝星細胞の活性化抑制を示したが、オベチコール酸は肝星細胞の活性化抑制を示した。詳細な解析が必要であるが、以上の結果は、FXR活性化には複数の経路 (形式) があると予想された。
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