研究課題
肺癌を対象として、末梢血採取からDNA抽出・定量・保管に至るまでのプラットフォームを前向き臨床研究として整備し、まずは呼吸器内科を中心として症例集積を開始している。現在21例の症例登録が済んだところであり、今後も継続予定である。次世代シークエンサーを用いた解析については組織検体の集積も待って、今年度中の解析が可能な状況である。探索的研究としての高感度PCR法(Digital PCR法)については、これまでmultiplex検出系の確立がされていなかったため、EGFR遺伝子変異(exon19del、exon20 T790M、exon21 L858R)についてそれぞれのプローブ作成・条件検討を行った。前者については、genomic DNAを用いた検討でmultiplex検出系における十分な精度が示され、結果を2014年の肺癌学会総会で報告した(渡邊、赤松、洪、山本ら、肺癌学会 2014)。その後、臨床検体を用いた検討に移った。同一症例におけるduplex・multiplex検出系での一致率が100%と、精度が十分であることを報告した(Akamatsu, Watanabe, Koh, Yamamotoら、米国癌学会2015)。臨床情報との統合については2014年1月から呼吸器内科におけるデータベース作成を開始しており、今後遺伝子変異解析結果と併せて報告する予定である。
2: おおむね順調に進展している
年度前半で前向き臨床研究としての体制整備(採血からDNA抽出・保管までの体制や臨床データベースの確立)に時間を要したものの、その後は症例集積が比較的順調に進んでいる。一方で同時期に多くの臨床試験・治験が並行して開始となった事から、これらの症例については本研究への参加が制限された事が予想外の事項であった。
本年は臨床検体の集積に注力すると同時に、次世代シークエンサーでの解析を進めていく。また、digital PCRを用いたmultiplex検出系についても同様に症例集積と解析を進めていく(2015年日本癌学会で報告予定)。臨床情報との統合については、当科データベースが稼働して長期フォローアップのデータが一部で得られると思われるので、その際に解析することを計画している。
臨床研究体制の整備と高感度PCR法を用いたmutiplex検出系の確立に時間を要したため、次世代シークエンサーを用いた解析が十分に進まなかったことから次年度使用額が生じた。
次年度は臨床検体の集積を進め、次世代シークエンサー・高感度PCR法を用いた研究を推進していくため、次年度使用額を充てる事ができる。また、multiplex検出系の構築については論文作成を計画しており、こちらについても次年度使用額を充てることを予定している。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件、 オープンアクセス 13件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 図書 (6件)
Respir Investig
巻: 53 ページ: 68-72
10.1016
Springerplus
巻: 4 ページ: 152
10.1186
Invest New Drugs.
巻: epub ahead of print ページ: epub
epub ahead of print
Ann Thorac Med.
巻: 10 ページ: 61-65
Support Care Cancer
巻: 23 ページ: epub
10.1007
J Thorac Oncol
巻: 9 ページ: 1048-1052
10.1097
Int J Clin Oncol
Lung Cancer
巻: 86 ページ: 35-40
Med Oncol
巻: 31 ページ: 88
Respir Med
巻: 108 ページ: 976-982
巻: 52 ページ: epub
Cancer
巻: 15 ページ: 1471-81
10.1002
巻: 52 ページ: 101-106