研究課題/領域番号 |
26870518
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
長谷川 純子 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 講師 (00644428)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 発展途上国 / 初期低栄養児 / スクリーニング |
研究実績の概要 |
平成26年度に行ったフィールド調査の結果をもとに仮スクリーニング票の作成を行った。仮スクリーニング票はいくつかの統計解析手法を用いて複数作成した。一つは、現地での使用しやすさを考慮した紙ベースのチェックリスト形式のものである。紙に印刷しておけば比較的安価に使えることが魅力であるが、使用後の保存・管理や結果の活用という面に問題が残る。補足すると、フィールド地であるザンビアやその近隣国では住民がヘルスパスポートと呼ばれる手帳を所有しており、それをもって医療機関を訪ねるシステムになっているが、手帳の破損・汚損などにより情報の散在や紛失などが問題となっている。また不足する医療人材を補う形で地域住民がヘルスワーカーとしての役割を担っているが、一定の研修を受けるとはいえ正規の医療スタッフではないため結果の解釈やその後の活用に一定の課題が残る。そこで、最近発展途上国でも使用されるようになりつつあるタブレット端末を用いた評価デバイスを開発した。後述の理由で平成27年はフィールド調査の実施に至らず、現地の保健医療スタッフらに実際に使ってもらう段階に進んでいないが、タッチパネルの直観的な操作によって簡単な計算すらもする必要がなく、入力パネルや結果表示を改良すれば使いやすいツールになることと思われる。実用化のためにはデバイスそのものの改良のほか、故障や盗難対策など課題が残るが、今後現実的なツールとして検討する価値が十分にあると考えられた。 平成27年度の前半から産前産後休業および育児休業を取得したため、フィールド調査の実施に至らなかった。したがって予定していた大規模調査および追跡調査は未実施の状況である。今後、上記のタッチデバイスツールの検討も含めて研究を継続する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成27年度は産前産後休業および育児休業の取得によりフィールド調査を行うことができなかった。したがって予定していた大規模調査および追跡調査が未実施の状況である。結果として研究全体に遅れを生じている。
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今後の研究の推進方策 |
産前産後および育児休業期間は終了したが、育児等のために当初の予定よりもフィールド調査の規模は縮小せざるを得ない状況である。そこでスクリーニング票の地理的な適用範囲を縮小し、ザンビア南部州に対象を絞り込むこととする。南部州には密に連絡を取れる現地コーディネーターがおり関係各所とも連携がとれているため、研究の継続が可能である。また、フィールド調査の際には当初予定よりも人材を厚く確保することとする。スクリーニングのためのツールとしてタッチデバイスの使用を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
産前産後および育児休業の取得により研究が一時中断したことから。
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次年度使用額の使用計画 |
現地コーディネーターらに調査の一部(スクリーニング票の試用および結果のデータ整理など)を行ってもらうため、現地で使用するPC等の機器を購入する。また、フィールド調査時の人手を当初予定よりも多く確保することとし、そのための人件費として使用する。
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