研究課題/領域番号 |
26870521
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研究機関 | 八戸工業大学 |
研究代表者 |
斎藤 明宏 八戸工業大学, 公私立大学の部局等, 講師 (90632084)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 外国語教育 / 動機づけ / 定性的研究 / ナラティヴ |
研究実績の概要 |
引き続き文献蒐集および関連研究会への参加を通して、研究動向の把握のための情報収集および資料収集を続けた。前年度までに蒐集した定量的データおよび定性的データの両方について予備分析を行った。定量的データに関しては、学習者の学習行動と行動観察に基づいた理論枠組みとの整合度合いを検討するため、質問紙調査で得られたデータの処理及び本分析を行い、因子分析によって学習者抵抗の理論枠組みとの整合性を確認した。分析の結果、学習者の行動を説明する因子として5つ説明因子を抽出した。5つの説明因子に着目することにより、学習者の行動改善・向上に向けた教育上の介入方法について考察し、予備的な提案として取りまとめた。結果としてはおおよそ理論とデータとを比較・対照させながら整合度合いを検討できたと評価をした。この結果に関して広島のシンポジウムにて口頭発表を行い、同じ教育学関連の複数の専門家より意見や情報をいただくことができた。蒐集した情報を総合的に勘案したうえで、分析を精緻化させ論文として取りまとめのち学術誌に送付した。論文は現在査読中である。定性的データに関しては、学習者に対するインタビューデータおよび教員の授業観察を通じたダイアリーデータについて分析に着手している。こちらに関してはデータの文字おこしおよびデータ管理の仕組みづくりが完了しており、平成28年度に予備分析結果を取り纏め学会・論文にて報告を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先行研究文献の収集および文献ならびに研究発表からの研究動向調査は順調に進展している。また、昨年度までに選定した観察クラスおよび調査参加者を通じてのデータ収集はほぼ終了しており、当初計画のとおり順調に推移したと評価できる。データ収集は初年度より着手しており、一定程度のデータが蓄積できた。学習者抵抗の理論枠組みによる質問紙調査はデータ収集、学会発表、および論文投稿まで進んでいる。さらに昨年度までの学生インタビューデータは、昨年度には分析が始まっていた(ただし新年度は定性データの分析が遅滞なく進展するよう計画に基づき実行するため特に注意を要する)。代表者が授業中に観察した出来事(学生の行動、様子、発言;教員自身の発言、反応、感情;学生・ 教員間のインタラクション)、特に投資と抵抗に関するものに焦点を当てながら観察記録を作成し、それをもとに省察と研究進行状況をジャーナルとして継続して作成した。前年度の時点において調査参加者による回想録を作成することを企画していたが、これまでのデータの予備分析から不要であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後も代表者が講義中に観察した出来事(学生の行動、発言;教員自身の発言、反応;学生・ 教員間のインタラクション)、特に投資に関するものに焦点を当てながら記録し、それをもとにジャーナル作成を継続する。内容は授業前後と授業中の出来事(自分の行動、意欲や 感情の動き、そのきっかけについて)を記録し、一定期間ごとに振り返るもの。 追加の定性データ収集の必要性を早期に判断し、必要である場合にはすみやかに実行する。そのためにも分析は遅滞なく計画に沿って行う必要がある。前年度までには定量データの報告がほぼ完了したため、今後は蓄積した定性的データの分析を継続し、取りまとめ報告の準備を行う。同時に研究会などで成果の報告を行い、情報収集をしたうえで学術誌への投稿を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビューデータの文字起こしの料金が期間限定の低額料金であったため、若干残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
残額は次年度追加で収集する定性データ分析の準備費用として充当したい。
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