研究課題/領域番号 |
26870529
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研究機関 | 常磐大学 |
研究代表者 |
大高 皇 常磐大学, 人間科学部, 助教 (70709261)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | モビリティ・マネジメント教育 / 社会科教育 / 土木工学 / 交通計画 / 教員養成課程 |
研究実績の概要 |
本年度は、我が国の大学、とりわけ教員養成系の大学における教員養成課程のシラバスを入手し、その目標・内容・方法の調査を行い、我が国の大学教員養成課程のカリキュラムにおける、モビリティ・マネジメント教育に関連する特徴的な取り組みについて分析を行った。また国内におけるモビリティ・マネジメント教育の実践について調査した。 特に2014年11月29日・30日に開催された「日本社会科教育学会第64回研究発表大会」(於静岡大学)の課題研究発表Ⅱ「シティズンシップ教育の授業を問い直す」内の報告(1)「シティズンシップ教育としてのモビリティ・マネジメント教育―交通渋滞を考える実践を通して―」において、モビリティ・マネジメント教育の社会科教育での位置づけを相対化するための知見を得ることができた。同報告では、埼玉県内でのモビリティ・マネジメント教育の実践を紹介するとともに、この実践で取り扱う社会的ジレンマの性質を帯びた交通に関する諸問題という教育内容が「正解のない社会問題を追究する」シティズンシップ教育として位置付けられること、この実践の交通に関する諸問題を自らの行動を変容させることで解決していくという教育方法が、権利と責任とを対置し「市民としての責任を果たす」シティズンシップ教育として位置付けられることが示され、モビリティ・マネジメント教育の社会科教育での位置づけを確認することができた。そこでこれを基に、モビリティ・マネジメント教育の実践の分析の枠組みを作成した。 また同学会における社会科教員養成に関する自由研究発表では、教員養成カリキュラムにおいてフィールドワークを実施し、教材として副読本を作成することで、教材研究の能力を養成する実践が紹介され、本研究が目指す教員養成カリキュラムの指針を得た。そこで、カリキュラム構築の試行的取り組みとして、申請者担当講義においてもフィールドワークを導入した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画では、本研究が着目するドイツ・ニーダーザクセン州のモビリティ・マネジメント教育を担う教員の養成のためのカリキュラムを分析するため、本年度中にニーダーザクセン州において教員養成を担うロイファナ大学リューネブルクのリューネブルク大学総合教育研究所を訪ね、ロイファナ大学リューネブルクの教員養成課程のシラバスを入手してモビリティ・マネジメント教育に関するカリキュラムを分析する予定であった。また、併せてニーダーザクセン州のモビリティ・マネジメント教育の実施において、カリキュラム「モビリティ」の開発を担うなど主導的役割を果たしている、リューネブルク大学総合教育研究所とニーダーザクセン教育省において教員研修・教材提供体制の実態等についてヒアリングを行うと共に、関連文献の紹介や関連資料の提供を受ける予定であった。 しかし、申請者の校務との兼ね合いにより、本年度中にリューネブルク大学総合教育研究所とニーダーザクセン教育省を訪問することが困難になった。そこで、当初計画では次年度において取り組む予定であった、我が国の大学の教員養成課程のカリキュラムの調査および相対化に先に着手することとした。その結果、次年度に予定をしていた我が国の大学、とりわけ教員養成系の大学における教員養成課程のシラバスの入手、その目標・内容・方法の調査を行うことができた。また国内のモビリティ・マネジメント教育の実践の分析の枠組みを作り、分析することができた。これにより、併せて次年度に予定していたカリキュラム開発にも着手することができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画では本年度中に訪問する予定であったロイファナ大学リューネブルクのリューネブルク大学総合教育研究所を次年度中に訪問して、ニーダーザクセン州において教員養成を担う、ロイファナ大学リューネブルクの教員養成課程のシラバスを入手し、モビリティ・マネジメント教育に関するカリキュラムを分析する。また、モビリティ・マネジメント教育に関すると目される科目のテキスト等を入手して、その内容を検討すると共に、該当科目の担当者と現地コーディネーターを通じて連絡を取り、電子メール等にて授業の実態等についてヒアリングを行うと共に関連文献の紹介や関連資料の提供を受ける。以上より得られた知見から目標・内容・方法を解明する。 併せて、リューネブルク大学総合教育研究所とニーダーザクセン教育省の担当者に対し、それぞれ現地コーディネーターを通じて連絡を取り、電子メール等にて教員研修・教材提供体制の実態等についてヒアリングを行うと共に、関連文献の紹介や関連資料の提供を受ける。以上より得られた知見を基に、研修のプログラムと内容、教材提供体制を解明する。 また、我が国において関連学会等(土木学会・交通エコロジー・モビリティ財団・札幌市など)が行うモビリティ・マネジメント教育の教材提供の準備について、提供件数・教員養成課程との関係性を調査する。 これらによって得られた知見を基に我が国の教員養成課程に対応したカリキュラムを開発する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画では本年度中にリューネブルク大学総合教育研究所とニーダーザクセン教育省を訪問する予定であったが、申請者の校務との兼ね合いで次年度に訪問することとしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度にリューネブルク大学総合教育研究所とニーダーザクセン教育省を訪問する予定であるので、その旅費と現地コーディネーターに対する謝金として使用する計画である。
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