これまで膵β細胞ブドウ糖刺激インスリン分泌は、ATP依存性K+チャネル(KATP)閉口による脱分極により惹起されると考えられてきた。しかし、実際にはKATP閉口のみではインスリン分泌は惹起されない。膜電位の脱分極には背景電流の存在が不可欠だからである。これまで我々は、背景電流を介した新規インスリン分泌機構を提唱してきた。インスリン分泌に影響を及ぼすが、機序不明とされてきた物質の多くが背景電流に関与すると考えられる。本研究において我々は、グレリン、及びGPR40受容体刺激が背景電流を介してインスリン分泌を制御することを見出し、証明した。
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