スタチンはコレステロール合成経路の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素を阻害し、血中コレステロール低下作用を有するが、この作用とは独立して動脈硬化巣へのマクロファージの集積を抑制することが知られている。マクロファージ特異的にHMGCRを欠損したマウスを作製し食餌性に肥満させたところ、脂肪組織のマクロファージの集積と炎症プロセスが抑制された。また脂肪組織のインスリンシグナルの賦活化により全身のインスリン抵抗性が改善した。加えて脂肪肝も改善していたが、肝臓のマクロファージの集積や炎症性には変化がなかった。免疫細胞のHMGCRは全身のインスリン感受性と肝脂質代謝に影響を及ぼすことが明らかになった。
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