研究課題/領域番号 |
26870536
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
川島 亜紀子 (小林亜紀子) 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20708333)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 発達精神病理学 / 夫婦関係 / 子ども |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,子どもを含めた家族のウェルビーイングを,発達精神病理学的アプローチにおいて不可欠な,多面的,縦断的な研究デザインを用いて検証することである。当該年度まで,共同養育coparentingと夫婦間コーピングdyadic copingに焦点を当て,夫婦関係の質が家族全体のウェルビーイングにどのように関連するのか,検証してきた。 当該年度は,観察調査データならびに質問紙調査データの整理,分析を進めるとともに,平成30年度に行われる国際学会(ISSBD, 2018年7月)での発表に向けて,調査対象者(父・母・幼稚園教諭)から得たデータの分析を行い,抄録を作成,査読を経て採択された。具体的には,父,母の養育行動と,教師評定による子どもの対人行動傾向データ(n=150)を用いて分析を行い,父母の否定的養育行動(心理的統制)が子どもの攻撃行動(身体的攻撃,関係性攻撃)の高さと関連することが示された。また,特に父親において,子どもに対する期待が養育行動と関連することが示された。平成30年度の発表時にはこの結果に加え,父母の養育行動や子ども期待が夫婦関係とどのように関連するのかについても検証し,より家族全体としての在り方に焦点を当てて報告する予定である。平成30年度は,親子観察のビデオデータの解析を進め,共同養育coparentingと夫婦間コーピングdyadic copingを軸として養育行動や子どものウェルビーイングの観点から論文化し,国内外へ発信していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
勤務先の異動が多く,それにより研究場所の移動,研究設備の準備,人手確保の問題等,環境の変化によって,研究を想定していた通りに進めることが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
勤務先の異動が今後想定されないため,研究設備を整備,人手を確保し,研究を進めていく予定である。平成30年度は,親子観察のビデオデータの解析を進め,共同養育coparentingと夫婦間コーピングdyadic copingを軸として養育行動や子どものウェルビーイングの観点から論文化し,国内外へ発信していく予定である。 平成30年度も引き続き,国外研究者との共同研究である国際比較研究(PACIFICプロジェクト)参加者に対する質問紙調査や,国内研究者との共同研究における質問紙調査においても,調査を実施し,縦断調査として継続的に測定を行い,これらのデータから明らかになったことについても分析し,公表していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の成果を発表する予定の国際学会の発表日時が翌年度(平成30年度)となっているため。および,当該年度に実施する予定だった調査が人手不足により,遅れが生じていているため。
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