研究課題/領域番号 |
26870539
|
研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
上代 圭子 東京国際大学, 商学部, 准教授 (00569345)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 再社会化 / 性役割観 / 女性 / スポーツ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、既婚女性のスポーツ参与過程を明らかにし、スポーツの再社会化モデルを構築することである。 本年度は、紙面調査を中心に研究活動を行った。その結果、現競技を始めたきっかとなった人物は「子ども」と「ママ友」であり、また始めたきっかけとなるできごとも、「子どもがプレーしていたから」という理由が最も多かったことから、女性のスポーツの再社会化においては、「子ども」が重要なポイントになることが示唆された。また、やめるきっかけとなるできごとについては、「体力の低下」「気力の低下」といった個人に関する要因とともに、「育児」「介護」といった家族に関する要因が影響を与えることが示唆された。したがって、日本においては婚姻が既婚女性のスポーツ活動に影響を与えると考えられる。 また、調査に関して、当初は1つの大会でのみ紙面調査を行う予定であったが、地域特性が影響を与える可能性が出てきたことから、他の地域でも紙面調査を行った。そこで、当初今年度行う予定であった参与観察や面接調査は来年度行うこととした。なお、調査対象者に対しては既に関係者に依頼済みであるが、現在、具体的な調査対象者の絞込みと日程調整などを行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査対象を広げたため研究期間の延長を行ったが、当初の研究の枠組みの通り行われている。
|
今後の研究の推進方策 |
1.参与観察の実施(平成28年5月):調査対象は、対象となるチーム1 チームとし、練習中や食事会などでの会話や相互関係などを観察する。 2.面接調査実施(平成28年6月~平成28年9月):第1次面接調査対象者は、専業とパートの既婚女性と、各々子どもの有無によって4 群に分ける。人数は、一般論化を考慮し、過去の研究を参考に各チーム12名、計120名程度とする。第2次面接調査は、スタッフとする。面接方法は、直接面接法を用いて個別に実施し、1人あたり60分程度とする。なお質問項目は、「再社会化説」に関する研究の調査項目を援用する。 3.データの整理・解析・分析(平成28年6月~平成28年11月):Mayring(1983)が構造化した質的内容分析を援用する。なお、記述分析を行う際には、SPSS Modeler Text Analytics for Surveys を使用する。そして分析した内容を基に修正モデルを構築する。 4.報告書・論文執筆、投稿(平成28年12月~平成29年2月):分析結果を基に、報告書および、欧文での論文を執筆し投稿するとともに、国内・海外の学会等で発表する。そして報告書は協力者ならびに関係機関に配布する(100部を予定)。
|
次年度使用額が生じた理由 |
紙面調査の調査対象者の範囲を拡大したため、今年度行う予定であった参与観察ならびに面接調査を次年度に行うこととした。 またこれに伴い、全体の分析や論文、調査報告書の執筆等も次年度に行うこととした。
|
次年度使用額の使用計画 |
参与観察および面接調査に関する費用と、分析、論文や報告書の執筆に関する費用は28年度の使用とする。
|