研究課題
平成28年4月14日に熊本地震がおこり、これまで構築してきた研究環境が全て破壊され、臨床環境と研究環境を再度整備し構築するために数カ月要した。再度、研究環境を構築してからは、平成27年度と同様にヒト糖原病Ia型iPS 細胞(A01)、ヒト正常iPS 細胞(N1と201B7)をSoga M. et al.2015で行われた肝細胞分化のプロトコールを使用して、成熟肝細胞の樹立を行った。さらに、これまでGSDIa-iPSCは1検体であったが、別の糖原病Ia型患者由来のGSDIa-iPSC A21を樹立し、成熟肝細胞の樹立を行った。A21においても、肝細胞分化4日後では、内胚葉のマーカーであるSOX17とCXCR4、7日後では、HNF4αとHNF6、18日後ではアルブミンとアルファフェトプロテインの遺伝子発現を確認できた。Song Z et al.2009,Si-Tayeb K et al.2010およびChen YF et al.2012が行っていた肝臓分化誘導プロトコールを参考にして、シングルセルのiPS細胞(DEF-CSTM Culture System)から肝臓分化誘導を行ったが、Spcified hepatic cell の段階でかなりの細胞死を認め、安定して成熟肝細胞の獲得はできなかった。また、A01およびA21成熟肝細胞とN1成熟肝細胞におけるERストレスについて検討した。A01、A21およびN1成熟肝細胞(分化25日後)では、ERストレスマーカーであるELF-2、BIP、CHOPおよびXBP-1 spliceの遺伝子発現が認められた。オートファジーのマーカ―であるLC3の発現は、通常の肝細胞分化培養下でおいてもA01とA21の成熟肝細胞はとN1の成熟肝細胞に比べて強く発現し、12時間の低グルコース培養下では、さらにLC3が強く発現する傾向にあった。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
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