本研究は、ミトコンドリア病の新規原因遺伝子の発見および新たな疾患発症メカニズムの解明を目的している。特に小胞体(ER)とミトコンドリアの接触点(MAM)に局在するタンパク質に着目し、ERを介した新たな疾患発症メカニズムの解析を目指した。 エクソーム解析からMAMとの関連が示唆されているOCIAD2の変異を同定した。患者線維芽細胞ではOCIAD2のmRNAとタンパク質の両方の発現が顕著に減少していた。また、患者細胞では、ミトコンドリアの異常な伸長を認めた。これらのことから、OCIAD2変異を持つ患者ではミトコンドリアの分裂異常が原因となって、ミトコンドリア機能不全が生じていると考えられた。
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