非言語情報を適切に理解することは、他者の指示意図等を推測するために必要である。本研究では、コミュニケーション上重要と考えられる、非言語情報の統合的利用とその調整に関して、語意推測課題などを基に心理学実験や観察を用いて、定型発達(TD)児/者や自閉スペクトラム症(ASD)児を対象に調べた。非言語情報の統合的使用やその調整に関しては、2歳児から4歳児にかけて、読み取り方略が変わることが示唆された。発話タイミングの解釈に関しては、TD者とASD児ともに内的心情の評価が変わらなかった一方、ASD児は微細な表情を解釈していない可能性が示唆された。
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