研究実績の概要 |
1. 複数のバイオマーカーの組み合わせで予測を行う際に使用されるMaximum Rank Correlation統計量(Pepe et al., 2006, Cai & Cheng, 2008)に含まれるindicator functionを滑らかな関数で近似し、微分で最適化を行う方法を考案した。シミュレーションにより、予測精度と計算時間を比較した。また、独立打ち切りが成立しない場合にその性能がどの程度維持されるかを検討した。提案手法は、シミュレーション研究で利用される標準的な設定では、既存法およびCoxモデルを利用したマーカー組み合わせ算出法と同等の性能(C統計量)を示した。イベント時間に大量のタイが含まれる状況では、他の方法よりも高いC統計量を示した。独立打ち切りの条件が成立しなくても、ある程度は性質を維持していた。この結果をJoint Statistical Meeting 2017で発表した。一般的に利用されているCoxモデルを利用した計算方法の性能が良かったことから、このメリットを超える良さを報告する必要がある。現在、独立打ち切りの条件が成立しない場合の検討を進めている。 2. 昨年度、学会発表を行ったRestricted Mean Survival Timeの回帰モデル推測手法(Inverse Probability of WeightingとPseudo Outcome法)の論文作成を進めた。原稿はほぼ完成しており、共著者との調整をしているところである。
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