児童養護施設における性的問題とその対応についての実態を把握することを目的に、13施設に対し性的問題の概要および当事者の情報についての調査を実施した。過去3年間に生じた性的問題は58件で、不適切な性的発言からレイプまで多様な内容で、加害児童は小学校高学年男子に多く、被害児童は小学校低学年女子に多かった。「日常的な暴言・暴力」「高い衝動性」「強い支配性」は加害児童に多く、「従順で流されやすい」「排泄、排尿の問題」は被害児童に多かった。次に、過去の調査結果と比較したところ、発覚した問題の傾向に違いが見られない一方で、問題発覚後の対応が年を経てスピーディに行えるようになってきたことが示唆された。
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