研究課題/領域番号 |
26870569
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
佐藤 崇 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20464836)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | エピジェネティクス / DNAメチル化 |
研究実績の概要 |
研究代表者らはこれまで、肺多段階発がん過程におけるDNAメチル化異常の網羅的解析を行い、前がん段階からのDNAメチル化異常が腫瘍の悪性度および予後を規定していることを明らかにし、また、肺腺がん症例より得られた非がん肺組織のDNA メチル化プロファイルに基づいて発がん経路・臨床病理像とよく相関する症例の分類を行うことができている。これらの研究に基づいて、DNAメチル化異常を来たし肺がんに関与する候補遺伝子を抽出した。すでに着目していたADCY5、GFRA1に関して機能解析を行った。細胞株において過剰発現およびノックダウンを行い、増殖やアポトーシスといった形質に変化をきたすか検討したが、現在のところ明らかな形質変化を確認できていない。一方、がん組織におけるDNAメチル化異常が予後と相関する有力候補遺伝子について、臨床検体における発現がDNAメチル化レベルと逆相関していることを見出した。さらに、細胞株の脱メチル化剤処理によって、その遺伝子の発現がDNAメチル化にによって制御されていることを明らかにした。同遺伝子のDNAメチル化異常が発現異常をもたらし肺がんの形質を修飾している可能性が示唆されている。さらに候補遺伝子を見出すため、すでに調べているジェネティックな異常とDNAメチル化異常との相関を調べ、分子経路に特有の候補遺伝子の抽出を行っている。有力な候補遺伝子が得られれば、DNAメチル化異常と発現の関連や機能解析を予定する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
すでに着目した候補遺伝子について機能解析を進めている。また、DNAメチル化レベルが予後と相関する遺伝子のDNAメチル化による発現制御の検討を行った。しかし、機能解析で有力な結果が得られるような有力候補遺伝子は同定できていない。さらなる候補遺伝子の絞り込みと解析が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
すでに絞り込んだ候補遺伝子について機能解析を進める。また、さらなる候補遺伝子の同定のため、すでに調べているジェネティックな異常とDNAメチル化異常との相関を調べ、分子経路に特有の候補遺伝子の抽出を進める。有力な候補遺伝子が得られれば、DNAメチル化異常と発現の関連や機能解析を予定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本助成金以前の研究費を使用した実験結果を用い、in silicoでの候補遺伝子の絞り込みを行っているため、別途費用を要さず、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
候補遺伝子についてin vitroで機能解析を進める。また、さらなる有力候補遺伝子の絞り込みを行い、それらについてDNAメチル化異常と発現の関連や機能についての解析を予定する。具体的には、DNAメチル化レベルとmRNA発現レベルの測定、ノックダウンや過剰発現での形質変化の測定を計画する。
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