肝臓病の状態を正確に知るためには、肝生検や内視鏡検査といった苦痛を伴う検査が必要である。今回我々は、肝移植を含む小児慢性肝疾患患者において、患者に負担の少ない超音波検査を用いて肝・脾硬度を測定し、肝生検や内視鏡検査の結果と対比する研究を行った。その結果、肝・脾硬度測定が肝生検における肝線維化や内視鏡検査における食道静脈瘤の予測に役立つことが分かった。 また、原因不明の肝線維化が小児肝移植後に起きることが以前から知られている。今回ドナー(肝臓を提供した人)の協力を得て研究を行い、抗ドナー抗体が肝線維化の原因の一つとなっていることを突き止めることができた。
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