• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

子どもの意味体系の構築:語に対する意味づけの更新過程に注目して

研究課題

研究課題/領域番号 26870573
研究機関鎌倉女子大学

研究代表者

佐治 伸郎  鎌倉女子大学, 児童学部, 講師 (50725976)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード言語習得 / 発達 / コミュニケーション
研究実績の概要

平成28年度は,当初の計画通り,本研究課題の研究成果を複数の学会において発表した.まず8月には認知科学の国際学会であるCogsciにて本研究課題の成果である,色語彙の使い分けの発達に関する発表を行った.また9月には国内の社会言語科学会,認知言語学会,認知科学会において,本研究に関わる成果を発表した.ここでは主に,日本語,中国語における「切る/壊す」系の動詞を,子どもや第二言語学習者がどのように使い分けを学習するのか,またその際に「コミュニケーションの相手にメッセージを伝える」という動機の強さがどのように使い分けに影響するのかというテーマで実験データを部分的に公開した.現在,第二言語習得に関する成果の一部は論文投稿中である.また,第一言語,第二言語習得共に全てのデータ分析をほぼ終了し,論文執筆を開始した.更にこれまでの第一言語,第二言語を含めた研究成果を著書の執筆を開始した.
また,継続の実験の進捗としては,2016年10月~12月にこれまでの成果を踏まえ発展的な2つの実験を計画し,刺激作成及びデータ収集を実施した.一つは擬音オノマトペの使い分けに関する調査,一つは日本語指示詞の使い分けに関する調査であった.双方とも事前実験としては非常に有益な結果が得られたため,今年度の新たな本実験計画へと反映させる.またこれまで行ってきた「切る/壊す」系動詞の使い分けに関する実験も,2017年3月より中国語児を対象とした実験を開始した.これらの成果も,これまでの成果と合わせ比較分析を行う予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

学会発表や著書執筆などの成果公開は順調に進んでいる.
データ収集に関しては「切る/壊す」だけでなくオノマトペや指示詞のデータを収集したり,中国語母語の子どものデータを収集するなど,想定以上に進んでいる.
一方で論文公開が遅れているため,総合して概ね順調に進展していると判断する.

今後の研究の推進方策

平成29年度はまず,第二言語習得研究の成果を,続いて第一言語習得研究の成果を雑誌論文として公開する.更に28年度に新たに収集したオノマトペの使い分けのデータについては分析を進め,学会発表,もしくは論文作成まで進める.指示詞の使い分けデータに関しては,平成28年度のデータを事前実験として,本実験を計画する予定である.中国語児の子どものデータが平成29年度5月中に収集完了する予定であるので,その分析も進める.

次年度使用額が生じた理由

論文投稿に遅れが生じ,英文校閲に出すための金額分に余剰が生じたため.

次年度使用額の使用計画

来年度は3本の論文投稿を予定しているため,次年度使用額は英文校閲に充てる.その他の請求した助成金の使用計画は当初の予定通りである.

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] 大連理工大学(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      大連理工大学
  • [雑誌論文] 国際誌に投稿する2017

    • 著者名/発表者名
      佐治伸郎
    • 雑誌名

      認知言語学会論文集

      巻: 17 ページ: 未定

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 語意の再編成過程における情報共有志向性の役割.2016

    • 著者名/発表者名
      佐治伸郎,王沖,洪春子,大庭真人
    • 雑誌名

      認知科学会発表論文集

      巻: 33 ページ: 430-435

    • オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 幼児の言語使用による類推への効果2016

    • 著者名/発表者名
      齊藤都,佐治伸郎,廣田昭久
    • 雑誌名

      認知科学会発表論文集

      巻: 33 ページ: 497-506

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 語意の再編成過程における情報共有志向性の役割2016

    • 著者名/発表者名
      佐治伸郎,王沖,洪春子,大庭真人
    • 学会等名
      日本認知科学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2016-09-17 – 2016-09-17
  • [学会発表] 幼児の言語使用による類推への効果2016

    • 著者名/発表者名
      齊藤都,佐治伸郎,廣田昭久
    • 学会等名
      日本認知科学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2016-09-17 – 2016-09-17
  • [学会発表] 記号接地の原動力としての仮説形成推論2016

    • 著者名/発表者名
      佐治伸郎,渡邊淳司
    • 学会等名
      日本認知科学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2016-09-16 – 2016-09-16
  • [学会発表] 国際誌に投稿する2016

    • 著者名/発表者名
      佐治伸郎
    • 学会等名
      日本認知言語学会
    • 発表場所
      明治大学
    • 年月日
      2016-09-10 – 2016-09-10
  • [学会発表] 言語心理学における記述的研究の可能性2016

    • 著者名/発表者名
      佐治伸郎
    • 学会等名
      社会言語科学会
    • 発表場所
      京都外国語大学
    • 年月日
      2016-09-03 – 2016-09-03
  • [学会発表] How young children construct the lexicon as a connected system: the case of color names2016

    • 著者名/発表者名
      Imai, M., Saji, N., Asano, M., Ujihara K., Yasufuku, K., Ebe, M. & Ohba, M.
    • 学会等名
      the 38th Annual meeting of Cognitive Science Society(Cogsci2016)
    • 発表場所
      Philadelphia, Pennsylvania, USA
    • 年月日
      2016-08-13 – 2016-08-13
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi