研究課題/領域番号 |
26870601
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
田村 知子 東京医科大学, 医学部, 講師 (10352733)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 産後ケア / アウトリーチ / 家庭訪問 / 助産師訪問 |
研究実績の概要 |
本研究は産後1か月以内の生活の場に出向く「アウトリーチ型」ケアを縦断的に行い、その効果を検証するものである。1.産後ケアの実態調査・ニーズ調査、2.明らかになったニーズを基にした産後ケアプログラムによる縦断的介入とその検証を行う2部構成となっている。 H27年度は産後ケアのニーズ調査の結果をまとめ、ケアプログラムを立案した。産後ケアニーズ調査では産後1年未満の母親594名にアンケートを依頼し271名からの回答を得た(回収率48.9%)。68.8%の母親が産後の支援として家庭訪問を受け入れることには抵抗がない一方、新生児を連れての外出には初産婦の84.6%が「不安がかなりあった」と回答しており生活の場に出向く家庭訪問による産後支援が母親のニーズに適していることがわかった。また産後の家庭訪問の時期と回数は産後1~2か月以内の産後早い時期に2回以上の複数回を希望する結果が多かった。家庭訪問を行う職種の希望は助産師という回答が88%と最も多く、保健師や看護師と比べ有意に高い結果であった。この理由として、産後家庭訪問では「授乳に関するケア」を73.3%の母親が希望しており、助産師の専門性に期待していることがわかった。これらの結果から、本研究課題である助産師が産後1か月以内にアウトリーチ型の家庭訪問を行うことが母親のニーズに合っていることが明らかになった。 今後の研究の展開としては、産後アウトリーチ型プログラムを実際に行いその効果を検証することである。具体的には助産師による家庭訪問を産後1か月以内に複数回実施し、授乳に関するケアに重点をおきその効果を母親の意見や実施した助産師の視点両方からその効果を検証する計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
産後アウトリーチ型プログラムを実際に行いその効果を検証する段階にあるが、介入研究であるため、家庭訪問を行う助産師の募集や助産師の事前研修調整や協力機関の調整に時間を要している。 これらに対しては、助産師の募集などは一部業務委託も検討し当初の計画に戻すようしていくつもりである。
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今後の研究の推進方策 |
産後家庭訪問介入に向けてプログラムの見直しを早急に行う。プログラムにはスーパーバイズを受ける。
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次年度使用額が生じた理由 |
家庭訪問介入の時期が遅れたことにより、人件費、交通費、謝礼の使用がなかったため差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
H28年度は家庭訪問を実施するため差額が解消される見込みである。具体的には家庭訪問を行う助産師に対する研修費や家庭訪問実施に対する謝礼や交通費として使用予定である。
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