研究課題
受容体に特異的に結合する分子プローブの開発は、受容体の機能解析に留まらず、疾患の原因解明や創薬に直結する。インテグリンやシンデカンなどサブタイプが多く存在する受容体に特異的に結合する分子プローブの開発には、低分子化合物ライブラリーを用いたスクリーニングが効率的であると考えられる。本研究課題では、申請者らが所有する基底膜タンパク質ラミニンのアミノ酸配列を網羅するラミニンペプチドライブラリーのスクリーニングによって見出された機能性ペプチドをケミカルバイオロジーの手法を取り入れて、ラミニンの受容体結合部位の同定を行うとともに、受容体特異的な分子プローブの開発を目指す。申請者らは現在までに、全11種類のラミニンサブユニット全てのアミノ酸配列を網羅する合成ペプチドライブラリーの作成を完了している。また、現在までに、複数のインテグリン結合、2種のジストログリカン結合ペプチド、多数のシンデカン結合ペプチドを見出している。今年度はこのラミニンγ鎖配列由来ペプチドライブラリーのヒト皮膚線維芽細胞(HDF)を用いた細胞遊走スクリーニングをほぼ完了させた。一方、申請者らが既に見出している機能性ペプチドより、C16ペプチド、A2G10ペプチド(インテグリンα6β1結合ペプチド)、A2G80ペプチド(αジストログリカン結合ペプチド)の構造活性相関研究を継続している。C16、A2G10ペプチドはAla置換ペプチドを用いたAla scanを終了し、C16は光親和性プローブを組み込んで受容体の同定を行っている。A2G80ペプチドは従来の方法では、必須アミノ酸の同定が曖昧であったため、さらに誘導体を合成し、構造活性相関研究を継続している。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件) 備考 (2件)
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