太陽の約10倍以上の質量を持つ大質量星が進化の最後で起こす、重力崩壊による超新星爆発やブラックホール形成の過程で放出されるニュートリノの観測的特徴を理論的に研究した。まず銀河系内で超新星爆発が起こった際のニュートリノバーストについて、検出数だけでなくイベントのエネルギー・角度分布や中性子タグされる割合について、統計的な誤差まで考慮してその時間変化を詳細に調べた。次に、過去の超新星爆発を起源とする背景ニュートリノについてさまざまな不定性を系統的に評価した結果、星形成史の違いによる影響は主に低エネルギー成分に現れることから、今後のスーパーカミオカンデにガドリニウムを添加する実験の重要性を指摘した。
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