本研究は、生存に不可欠な役割を持つ後脳に着目して、その特徴的な分節構造や背腹軸の特性が後脳血管のパターン形成にどのように作用するのかを明らかにすることを目的とし、胚体内部を生きたまま観察できる脊椎動物モデルであるゼブラフィッシュを用いて解析を行った。 後脳は菱脳節と呼ばれる分節構造を持ち、それぞれの中央付近はシグナルセンターと呼ばれる特定の神経細胞が集合している。後脳の血管が形成される時、このシグナルセンター付近に血管枝の出芽が起こることから、シグナルセンターからの誘導因子と菱脳節境界からの反発因子の可能性について、発現解析と機能解析を行い、関与する遺伝子の分子機構を調べた。
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