研究課題/領域番号 |
26870631
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
金澤 宏明 明治大学, 文学部, 兼任講師 (40550976)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アメリカ史 / ハワイ史 / 対外関係 / 政治マンガ / 帝国主義 / 市民権 / 史料論 / メディア論 |
研究実績の概要 |
(1)研究報告と史料紹介(ニューズレターの発行)を行った。当初の予定では2回目の海外リサーチを行う予定であったが、1回目のハワイリサーチで予想以上の史料収集が出来、また一部アメリカ連邦議会図書館の史料がデジタルアーカイブスで公開されたことによりこれを中止し、代わりに研究報告会を行い(2016年3月19日、明治大学和泉キャンパス)、またこれまでの研究論文と併せてニューズレターを作成し、研究者に配布した(ニューズレターは一部の著作権処理の確認をしたうえでインターネット上に掲載する予定である)。 研究会とニューズレターではこれまでに収集した政治カートゥーン史料の並列的(数的)図像分析を紹介して、先行研究で議論した視覚パラダイムの存在を確認する一方、1年目の研究会で議論した視点の統語性質については限界点があることも論じた。
(2)最終年度のシンポジウムと史料展示会の準備を行った。シンポジウムは政治学の茨木正治、文学研究のロン・スチュワートの招聘交渉を行い、了承を得た。これにさらにもう一人外国人研究者を招聘する予定であるが、これはまだ決定していない。展示会は2016年10月の3週間を目安に、明治大学和泉キャンパス図書館展示室で行う予定である。
(3)国内外のライブラリアン、キュレイターとの交流。国内新聞マンガ研究者やホノルル美術館のキュレイターと連携を取り、史料展示会の準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の史料収集が充実したこと、一部のデジタルアーカイブスがアメリカ連邦議会図書館で公開されたことから2回目の海外調査を取りやめた。その代わりに研究会を開催したり、文献資料購入を増額し、またニューズレターを発行した。 ニューズレターは昨年の報告の通りに新たな形で史料報告を中核としたものとして作り替えたが、一部の図像の著作権確認に手間取り、発行は2回に留まったが、カラーでの配布など視聴覚史料の史料性に訴える内容のものを近隣研究者に報告することが出来た。最終年度にインターネット上にアップロードし、近隣領域の研究者が確認できるようにする予定である(2016年8月を予定)。他方で、昨年報告したとおり、配分額の減額による購入機材の変更や未入手、アルバイト雇用の不可などにより、画像の電子処理が少し遅れている。これは最終年度に研究代表者の研究エフォートをあげることによって解決する。 それ意外は、研究会や最終年度のシンポジウムや展示会の準備、学術論文の投稿の準備など、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度はシンポジウム(日程未定、2016年10月予定)と史料展示会(2016年から3週間を予定、於明治大学和泉図書館)を行う。図像史料の分析手法は研究会での議論なので十分に深めることができたので、歴史分析との接合を行い、最終的な論点を構成し、シンポジウムで公表する。また、その内容を踏まえ、国際誌に論考を投稿する予定である(Diplomatic History とJournal of Hawaiian Historyを想定している)。 また、史料の電子処理を進め、一部の史料は著作権確認を行った上でWEBでデータベースを公開する(タイトルなど書誌情報および画像など)。
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次年度使用額が生じた理由 |
第1回海外調査が充実し、その他の史料収集も国内から可能となった(アメリカ連邦議会図書館のデジタルアーカイブスの公開促進)ため第2回の海外調査を取りやめ、一部を文献購入へと振りわけた。また、最終年度でのシンポジウムおよび史料展示会を開催する際の予算を十全に確保するため、海外調査を取りやめた分の予算執行を一部を控えたことによる。 加えて、その一部を最終年度の海外雑誌への論文投稿の際のネイティブチェック予算へと振りわけた。
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次年度使用額の使用計画 |
シンポジウムおよび史料展示会の開催の際の登壇者の謝金や旅費、設備レンタル代金として使用する。また、ニューズレターのWEBサイト公開のための技術費用(ソフトウェアやサーバースペース代金など)として使用する。加えて、英文論文執筆の際のネイティブによる原稿チェックなど、執筆サポートに活用する。
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