フィジー諸島ダワサム地域住民による環境保護の実践と、彼らが日常的に行う土地の神話やキリスト教についての語り、この両ディスコースの関係を談話分析の手法に依拠して考察した。特に、2008年4月に、当該地域のN村落において伝統儀礼用具を焼却したペンテコステ系キリスト教団体の活動内容を調査し、同団体がN村落の滞在中に行った伝統儀礼用具の焼却を通した「土地浄化儀礼(Healing the Land Process)」が、当該村落の住民が環境運動を実施しようと決意した背景にあったことを明らかにした。以上を通して、人間と人間を超えた存在(自然/環境)との記号論的連続性をパース記号論に依拠して指摘した。
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