生殖補助医療における「血縁」に関する倫理的問題を調査・検討した。医事法における課題として、近年の性同一性障害者に関する法政策的対応の変遷の総括に加え、配偶子凍結技術の利用可能性を指摘した。iPS細胞由来の生殖細胞については生殖補助医療技術の臨床導入の歴史的経緯を振り返り、生まれる前から研究対象になることに関する研究倫理問題(子の福祉に関する危惧)を考察した。 親族法における課題では、Direct To ConsumerのDNA親子鑑定の我が国での利用拡大について、親子関係の法的認定における血縁の取扱いをサーベイし、第三者を利用した生殖補助医療における「出自を知る権利」への影響を示唆した。
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