本研究では,3都市ネットワークにおいて航空と高速鉄道の提携による利益最大化モデルを構築し,両機関が競合している場合と比較することで,市場シェアおよび社会的厚生に対する提携の効果を定性的に分析することが目的である. 本研究の結果,提携により両機関が競合する国内路線の価格の上昇に伴い,総需要は減少するが,乗り換え路線の総需要が増加することを示した.さらに,両機関が国内で大きなシェアを占めている区間または乗り換え路線の潜在需要が比較的大きい区間を提携サービスの対象にすることで,提携により企業利益と消費者余剰の総和である社会的厚生が増加することを示した.
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