研究課題/領域番号 |
26870675
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
伊藤 純子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (10436959)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ほめる / 承認 / モチベーション / 保健指導技術 / 看護職 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、看護職を対象とした承認(ほめる)力量の形成を促進する教育モデルの開発である。健康課題を持つ対象者の支援において、承認や賞賛のコミュニケーションを適切に用いることは、療養意欲を高め、行動変容への動機付けを支援する上で必要とされる力量である。自己効力感(Bandura,A)の情報源のひとつである「言語的説得」や、変化のステージモデル(Prochaska)に対応した強化マネジメントの実践に必要なスキルである。一方、先行研究からは、看護職が現場で用いる「ほめる」スキルは画一的で、非効果的である傾向が明らかになっている。これを踏まえ、1)場と対象に適った効果的な褒め言葉を創造できる、2)非言語的な表現力を高める、以上2点のスキル向上を目的とした看護職向けの教育(研修)モデルを作成した。開発にあたっては創造工学の専門家、フィンランド認定ソーシャルワーカーらから指導助言を受け、プログラムテキストと教材3セットを作成した。検証のために、研究者らによる支援対象者への健康教育実践、支援者である看護職(行政保健師)への研修会実施を複数回実施しフィードバックを得た。また、2016年日本公衆衛生看護学会では、専門家らによるクリティカルで直接的な提案を得ることを目的とし、ワークショップを開催した。本研究の意義は現場での活用にある。今後の課題は、プログラムの認知度を高め、利用機会を高めることであると考える。プログラム提供・活用研修を積極的に受諾し、多様なフィードバックの蓄積を学術的に検証してプログラム評価を行う計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究活動は期間内に終了したが、研究成果の一部である教材(テキスト)の校正、印刷製本作業に遅延を生じている。業者委託により予算執行を必要とするため、予算使用の延長申請を行い承認を得ている。延長期間内に作業が完了の見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
モデルの普及と活用を積極的に推進し、さらに実践と検証、改善を行う。テキストの配布、ネット上での公開を行い、活用のための研修会、ワークショップを受託する。評価をもとに現場と共同し、より効果の高いプログラムへ洗練する。また、期間内での研究活動を通じ、異なる専門分野で同質の課題に取り組む研究者らと学際的な交流を得られたため、他プログラムとの統合等など発展の可能性を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果(テキスト・教材)の印刷製本作業に遅延を生じ期間内に完了しなかったため。また、成果物の公表も含めた学会発表を平成29年度に実施したいと考えるため。
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次年度使用額の使用計画 |
作業は順調に進行しており平成29年度内に完了する。
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