• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

胃癌におけるGenetic/epigeneticな異常の相互作用と予後との関連

研究課題

研究課題/領域番号 26870685
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

田原 智満  藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (80533968)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード胃癌 / epigenetics / genetics
研究実績の概要

胃癌217症例に関してTP53, PTEN, KRAS, PIK3CA,の遺伝子変異およびメチル化を検索し分子生物学的特徴と臨床病理学的背景因子との関連を検討した。p53遺伝子Central core領域のhot spot (R175, G245, R248, R249,R273, R282) に変異を認める群は生存期間、無再発期間とも有意に短く (p=0.001)、肝転移再発 (p<0.05)、他臓器再発 (p=0.02)に関わる予後不良因子であった。遺伝子メチル化に関して、H. pylori非感染、感染胃粘膜それぞれ6例、胃癌組織、背景粘膜それぞれ8例、4例の計24サンプル関して48遺伝子、50箇所のプロモーター領域のメチル化を検索し、胃癌組織で特異的にメチル化されている遺伝子プロモーター13箇所 (MINT1, 2, 12, 25 and 31, RORA, GDNF, ADAM23, MLF1, PRDM5, RASSF1A, ATP2B4, MLH1) に関して胃癌217症例での検討を行った。H. pylori非感染、感染胃粘膜それぞれ2例、6例に関しIllumina Infinium Human Methylation 450 アレイを用い前癌状態における遺伝子メチル化を網羅的に解析した。腫瘍特異的メチル化が蓄積する癌特異的な遺伝子メチル化の過剰蓄積を示すCpG アイランドメチル化形質(CIMP: CpG island methylator phenotype)は36例16.6%に認め、既報と同様EBウイルス関連胃癌との関連を認めた(p=0.0001)。胃炎粘膜における遺伝子メチル化の網羅的解析では組織学的胃炎スコアが高い群で特にCpG islandの高メチル化が蓄積されており、組織学的胃炎の程度や拡大内視鏡像による胃粘膜形態と有意な関連を認めた。
HP陽性胃粘膜で高度メチル化を呈する9遺伝子 (Igf2, Myod1, SLC6A12, MIR124A1, GDNF, CDH1, PRDM5, MLF1, RORA)に関して106例、94例の異なるコホートからなる胃炎サンプルのメチル化解析を行った。高度メチル化に関連する因子を統計学的に検討したところ、組織学的胃炎の程度、テロメア短縮、拡大内視鏡像による胃粘膜形態が高度メチル化に有意に関連していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

各種臨床検体における遺伝子変異の解析、遺伝子メチル化の解析は概ね順調に進んでいるといえる。

今後の研究の推進方策

遺伝子メチル化と胃癌の臨床病理学的特徴に関してさらに検討を試みる。遺伝子メチル化の網羅的解析に関しては、胃癌組織を用い検討を行い、健常胃粘膜から前癌状態、癌組織における遺伝子メチル化を系統的に検討する。さらに、近年の臨床的トピックとなっているH. pylori除菌後の胃粘膜にも検討を加えたい。

次年度使用額が生じた理由

前年度の実験結果の解析に予想以上の期間を要したため新たな実験を進められなかった点が主たる理由である。しかし、結果の綿密な解析により研究の方向性は具体化することができた。

次年度使用額の使用計画

昨年度度行う予定であった実験をあわせて本年度行う費用として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Potential utility of DNA methytlation as a biomarker for prediction of ulcerative colitis associated colitic cancer (UCAC).2015

    • 著者名/発表者名
      Tomomitsu Tahara, Naoko Nakano, Mitsuo Nagasaka, Yoshihito Nakagawa, Tomoyuki Shibata, Naoki Ohmiya, Ichiro Hirata.
    • 学会等名
      AACR Annual Meeting 2015.
    • 発表場所
      Pennsylvania Convention Center Philadelphia, Pennsylvania.
    • 年月日
      2015-04-18 – 2015-04-22

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi