研究実績の概要 |
本研究は320列ADCTを用いることで成功したリアルタイムでの運動解析を口腔機能評価に応用するために撮影条件の決定をし、被ばく線量、画質、計測値へ与える影響を明確にすることで撮影技術の学術的な最適化を成し遂げ、口腔機能を評価するための新たな検査方法として確立することを目的とした。前年度までに低線量撮影最適条件の決定及び被ばく線量の計測を行った。結果は、1 回の CT 撮影、管電圧 120kV 管電流 60mA,、3.15 秒間、CTDIvol 21.7mGy、DLP 554.9mGy・cmの条件では1.65mSvであったが、 逐次近似再構成を応用した最新の被ばく低減再構成法である AIDR 3D(Adaptive Iterative Dose Reduction 3D)を用い低線量撮影条件を検討したところ管電圧 120kV、管電流 40mの条件で前述した画像とほぼ同等の画質が得られ 3.3 秒間の撮影でCTDIvol 26.2mGy、DLP 419.3mGy・cmであった。TLDによる被ばく測定値は顎下部正中で最大となり32.2mGyで被ばく線量としては1.08mSvであった。本年度の研究課題であった咀嚼を伴う嚥下における撮影条件の決定では上記被ばく低減撮影方法では被ばく線量が多くなるため口腔内二重造影を用い画質向上をはかることで可能となった長時間低線量撮影である 120kV、10mA、9.9 秒間の CT 撮影法の検討を行った。口腔機能評価時の CT、線量測定では 1.5mSv であった。
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