高齢者の意思決定にあたり問題が生じる大きな場面は、第1に、介護が必要になったとき、第2に、認知症などにより自分で何も決めることができなくなったとき、である。その場合頼りになるのは、家族・親族のみならず、専門職や施設・事業所であり、そのあり方を探るために2つの調査を実施した。 1つめの調査では、福祉専門職が果たす「つなぐ」「連携する」という役割が、多様化する高齢者およびその家族・親族のニーズをかなえるために必要だという結論に達し、もう1つの調査では、介護契約に基づき介護サービスを受ける際に、高齢者およびその家族に対し、よりわかりやすい契約書が依然として必要であることがわかった。
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