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2016 年度 実施状況報告書

古武術的身体操法を活かした野球ピッチング動作の新たな指導法構築とその応用・実践

研究課題

研究課題/領域番号 26870698
研究機関びわこ成蹊スポーツ大学

研究代表者

高橋 佳三  びわこ成蹊スポーツ大学, スポーツ学部, 准教授 (50434642)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード桑田真澄 / 膝の抜き動作 / クイックモーション / 小魚の群れ
研究実績の概要

今年度の研究課題は2点である。まず、桑田真澄氏が書籍等で述べている「古武術がまず生きたのは守備、クイックモーション、牽制球」ということから、その中でも投手にとって重要度の高いクイックモーションについて検討することである。次に、桑田真澄氏にインタビューを行い、当時古武術をピッチングに活かした内容について直接話を聞くことである。
まずクイックモーションについて,大学野球投手9名を被験者として実験を行った.被験者には通常通りのクイックモーションで投球を行わせ,次に膝の抜き動作を指導し,膝の抜き動作をクイックモーションに応用する練習を2週間行わせ,再度撮影を行った.その結果,9名中7名の動作時間が短縮した.このことから,膝の抜き動作はクイックモーションの動作時間短縮に有効であることが示された.しかし,9名中6名の球速が小さくなっていたことから,球速を落とさずに素早くクイックモーションを行うことを目指した指導が必要であることも示された.
次に桑田氏へのインタビューだが,2016年12月3日(土)に実施した.所要時間は23分.この中で以下の3点が,桑田氏が古武術をピッチングに活かした際の主要な考え方である.(1)まず生きたのは守備と牽制球.膝の抜き動作が非常に有効だった.(2)ピッチングは,投手と打者の間に18mの空間があるため,直接活かすことが非常に困難であった.(3)その中でも,甲野善紀氏が言う「小魚の群れが一斉に向きを変えるような力の発生」という考え方はとても有効で,ボールを投げる際に無駄な力が必要なくなった.
以上のことから,古武術を野球のピッチングに応用するには,「膝の抜き動作による守備や牽制球の技術向上」と「リリースの瞬間に全身の力を集中するような力発揮の方法」の2点に効果を集約したプログラムを構築する必要があるだろう.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

桑田氏へのインタビューは1年目、その効果の検証については3年目に、終えているべき内容であった。クイックモーションについての検証は昨年度行うことができたが、牽制球については被験者2名で予備実験を行ったのみなので、被験者を増やす必要がある。

今後の研究の推進方策

最終年度となるため、現時点での研究成果をまとめるとともに、できるだけ早く指導プログラムを構築し、その効果を検証したい。日本野球科学研究会が学会誌を発刊することになったため、その中で研究成果をまとめて発表できればと考えている。

次年度使用額が生じた理由

実験を行うことができず、実験およびデータ分析の謝金の支払いが不要となった。またインタビューにおける謝金支払いを桑田氏から固辞されたため、支払いの必要がなくなった。

次年度使用額の使用計画

実験を行うことでその人件費および被験者の謝金として支払う予定。

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公開日: 2018-01-16  

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