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2016 年度 実績報告書

成長過程における経済状況が個人の選好に与える影響に関する実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 26870700
研究機関京都産業大学

研究代表者

花岡 智恵  京都産業大学, 経済学部, 准教授 (30536032)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード選好 / 選好形成
研究実績の概要

選好パラメータは人々の行動を規定する重要な役割を果たしている。消費-貯蓄決定といった経済行動や、喫煙・飲酒といった習慣的な健康行動を考える上で、個人の選好パラメータの特性を知ることは不可欠である。先行研究では、アンケート調査や経済実験を用いて個人の選好パラメータを計測し、選好パラメータが個人の経済行動・習慣的な健康行動に与える影響に関する実証研究の蓄積が進んでいる。一方で、人々の選好パラメータがどのように形成されるのか、という観点からの実証研究は、比較的に少ない。
本研究では大きく分けて3つの課題を検証した。1:若い頃の不況経験が選好パラメータに与える影響、2:子どもの頃の家庭での過ごし方や学校生活が選好の形成に与える影響、3:自然災害のような負のショックが個人の選好に与える影響を行った。1の課題では、成長過程の3時点に着目し、就学前(5歳)・青年期(15歳)・学卒時(20歳)における居住都道府県のマクロ経済状況が、それぞれ、成人以降の選好パラメータに影響を与えているかどうかを検証した。2の課題では、子どもの頃の家庭での過ごし方や学校生活、また仕事上の経験が選好やパーソナリティに与える影響を検証した。3の課題では、自然災害が個人の選好に与える影響を検証した。
分析の結果、1の課題について、若い頃の不況経験が選好を含めた非認知能力に与える影響は、男性では観察され、女性では観察されなかった。2の課題について、子どもの頃の家庭での過ごし方や学校での学業・課外活動や職種とのマッチングが特定のパーソナリティの形成に有意に影響することが示された。3の課題について、負のショックが個人の選好に与える影響については、男性では有意な影響が観察された一方、女性では観察されなかった。選好パラメータの形成について、若い頃の経験が影響を与えることが示され、その影響には男女差があることが示唆された。

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公開日: 2018-01-16  

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