研究期間の全般において、2度の妊娠・出産、及び勤務先の変更等が重なり、研究を十分進めることができなかった。しかし、資料収集とこれまでの成果の見直しは継続してきており、平成29年度から順次、成果を公表し、学会報告につなげる予定である。 初年度(平成26年度)から2年目(平成27年度)にかけては、日本法研究として、民法(債権法)改正において新設される約款(「定型約款」)規定について、資料収集および分析を行ってきた。成果の第一段階として、平成27年9月には改正の「要綱仮案」(平成27年2月決定)までの内容をまとめ、関西若手研究者民事判例研究会において報告した。その後、改正案は平成28年3月に確定されて国会に提出され、平成29年現在も審議中であるが、重要な文献はほぼ出揃ったため、3年目(平成28年度)までにほぼ収集し終えることができた。また、労働契約については判例研究が重要であるところ、判例データベースを研究費により契約したことにより(当時の勤務先では導入なし)、資料収集は3年目(平成28年度)までにほぼ終えることができた。現在は、以上の整理および分析を行っている。 ドイツ法研究では、2年目の平成28年度半ばよりドイツ法データベースを研究費により契約したことにより(当時の勤務先では導入なし)、資料収集の成果が大幅に向上した。平成28年度8月には研究成果の一部を公表予定であったが、民法(債権法)改正への対応のため断念。現在はその内容を修正しつつ、収集済みの資料を整理、分析している。 今後の研究計画としては、平成29年度も通年で産休・育休取得予定であるため研究を十分進められない恐れはあるものの、まずはドイツ法部分のまとめを優先的に進め、平成30年3月までに公表する。そして、並行して日本法部分をまとめて平成30年度9月までには公表し、翌平成31年度の私法学会の個別報告での報告を目指す。
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