研究課題/領域番号 |
26870712
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
久保 幸弘 立命館大学, 理工学部, 教授 (00388125)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 衛星測位 / カルマンフィルタ / 航法 |
研究実績の概要 |
自動車などの自動運転技術は近年大変注目されている分野である.その実現には高精度な自車位置や車両状態の検出,判断,制御等の課題がある.特に,車両位置,状態の検出には様々なセンサが組み合わされている.その中でも,本研究はGPSに代表される衛星測位システム(GNSS)による自車位置検出の精度および信頼性向上に関する研究を行うものである.例えば,都市部や山間部を走行する車両では,建造物や地形の影響を受けるため,安定的に高精度な測位を継続して行うことが困難である.そのため,衛星測位にとって厳しい環境下でも測位精度を保ち,信頼性を向上させる基盤技術を確立することを目的としている. このような目的達成のため,平成27年度は,(a)精密単独測位(PPP)の精度向上を目指した局所的電離圏遅延補正モデルの作成,(b)複数アンテナを用いた高精度PPPアルゴリズムの開発,(c)ドップラ観測量の異常値検出アルゴリズム開発,(d)INS(慣性航法装置)/GPS-PPP複合航法における非線形フィルタの精度検証,(e)ドライブレコーダ画像による移動方向の予測アルゴリズムの開発,に関する研究・開発を行った.(a),(b)および(c)の研究成果により,PPP技術を核とした高精度な衛星測位の可能性が示された.さらに,(d)の研究成果により,上記のPPP技術と加速度センサ,ジャイロセンサとの複合のためのモデリング,非線形問題への対処法が明らかとなった.また(e)の研究では,簡単な(市販の)ドライブレコーダ画像(動画)から車両進行方向等の走行状態を推定する方式が考案され,効果的に進行方向予測が可能であることが確認された. 平成28年度は,上記の研究成果に基づいて,PPPとINSおよび画像情報を融合した自車位置および車両状態の検出アルゴリズム,およびそのソフトウェアを開発する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の研究成果は,平成26年度の研究実施計画(当初計画)をほぼ網羅しており,おおむね順調に進展していると評価した.
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度の成果に基づき,平成28年度の当初計画に沿って研究を実施する.特に研究計画の変更等は考えていない.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年,27年度に行った走行実験およびそのデータ整理が予定工数よりも少なかったために次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は本研究課題の最終年度にあたり,開発したアルゴリズム等の検証実験を予定している.そのための謝金として執行する予定である.
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