研究課題
現在,日本製のGPSである準天頂衛星システム(QZSS)の本格的運用を控え,衛星測位の重要性,利用範囲の拡大はますます拡大している.そのような背景の下,高精度な測位を安定して継続することや,測位の品質を保証する基盤技術の確立が求められている.本研究は,特に衛星測位にとって厳しい環境下,すなわち都市部や山間部を走行する自動車等の移動体において,建造物や地形の影響により測位衛星からの信号が途切れがちな状況においても精度良く測位を継続する手法を考案してきた.平成26年度,27年度においては,精密単独測位(PPP)を核とし,マルチGNSSの活用,気圧センサ,地図情報の有効活用,異常観測データの排除等のアルゴリズム,INS(慣性航法システム)と衛星測位の複合等のアルゴリズム開発を行い,これらのアルゴリズムが,ユーザ側の測位手法として信頼性の向上に寄与することを示した.平成28年度においては,27年度までの研究成果に基づいて,特に(a)準天頂衛星システムを活用したPPPの精度改善や電離圏遅延補正情報の生成,(b)搬送波位相観測量を用いる際のアンビギュイティの部分推定,(c)ローコストMEMS IMU,GNSS,車両速度を複合した測位アルゴリズム,(d)車載カメラ画像を活用したナビゲーションについて,考案,発展,改良を行い,その成果をソフトウェアにまとめ活用できるように整備すると共に論文として公表した.以上の研究成果により,都市部等の衛星測位に厳しい環境下におけるGNSS測位の信頼性を向上させるために必要な一連のアルゴリズムが開発され,今後のさらなる発展に向けた指針が示された.
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件)
Transactions of the Institute of Systems, Control and Information Engineers
巻: 29 ページ: 525-534
Proceedings of the 47th ISCIE International Symposium on Stochastic Systems Theory and Its Applications
巻: 2016 ページ: 320-325
http://doi.org/10.5687/sss.2016.320
巻: 2016 ページ: 313-319
http://doi.org/10.5687/sss.2016.313
巻: 2016 ページ: 307-312
http://doi.org/10.5687/sss.2016.307