本研究は研究代表者が京都府宇治市の朝日焼窯元で発見した、松林靏之助『石川県陶業地方見学記』(1918)に記録された大正期の石川県の陶磁器業に関する調査研究を目的としている。本研究では同書に記録されている石川県内の陶磁器業者の現状把握のため全5回の現地調査を行った。上記の結果を元に研究を進め、最終年度末までに、10件の研究発表、5件の研究論文、2件の図書の出版を行うことができた。更に「近代陶磁器資料データベース」上で、同書の全頁の画像データを公開した。研究成果については今後も継続的に発信していく予定である。以上の研究成果により、大正期における九谷焼の実態の一部を明らかにすることができた。
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