研究課題/領域番号 |
26870720
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
李 皓 静岡大学, 情報学部, 准教授 (20411332)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | デジタルコンテンツ / コンテンツプラットフォーム / 消費者調査 / 因子分析 / ハイブリッドゲーミングシミュレーション / エージェントベースシミュレーション |
研究実績の概要 |
今年度は極めて順調に研究を行い、成果を出すことが出来た。 昨年度の2月で行われたコンテンツユーザに対するインターネット調査結果に対し、まずは初歩的な統計分析を行った後、様々な分析の試行と検討を行った結果、多変量解析の一種である因子分析を行い、アンケートデータから個人ベースのコンテンツ消費者性質を得られた。これらの統計分析は日本デジタルゲーム学会2015年夏季研究発表大会、社会経済システム学会第34回大会などで継続的に報告した。 次に、コンテンツ消費者属性に基づき、エージェント・ベース・モデルを構築し、モデリング技術に関する成果は計測自動制御学会 システム・情報部門・第9回社会システム部会研究会で報告した。 そしてモデルの妥当性を検証するために、人工知能エージェントによる消費者と、人間によるコンテンツ制作者が共存しているハイブリッド・ゲーミング・モデルを構築し、その成果を日本シミュレーション&ゲーミング学会全国大会及び日本デジタルゲーム学会 2015年度年次大会で報告した。 最後に、今年度の集大成として、アンケート調査、その分析、エージェント・ベース・モデリング、ハイブリッドゲーミングを踏まえて、初歩的なエージェントベースシミュレーションを行い、その成果を第20回進化経済学会東京大会で報告した。これらの研究により、統計分析によるデータ全体の集約から見る消費者の全体像ではなく、一人ひとり消費者のデータを活かしたエージェントベースのシミュレーション分析によって、売れ筋コンテンツの模索に繋がることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
27年度の計画に挙げられている以下の目標が達成されたため。 ・データ分析に基づくエージェントベースベースモデルの構築 ・ゲーミングなどによるモデルの検証及び改良 ・個票ベースのエージェントベースモデルに対するシミュレーション分析の試行 ・初歩的な事業者戦略の検証
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今後の研究の推進方策 |
概ね研究計画通りに進む予定である。 課題として、予想以上に詳細データ及び分析結果を得ることが出来たため、モデル全体の複雑性及びデータ記述の次元が増えたことによって、緻密な分析に繋がるモデルのリッチ化が予想される。しかしモデルの巨大化は、シミュレーションの実行速度の低減やシミュレーションログ蓄積の量的増加に繋がる。予定されている複数コンテンツ対応を横断する複数プラットフォームが存在しているシミュレーション環境の構築は、情報技術の問題が発生するリスクがある。そのため、場合によっては元々予定されている様々なバリエーションに対する概要分析ではなく、特に興味深いと思われる特定のバリエーションに対し、詳細分析を行うような方向転換が行われる可能性がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が順調に進み、様々な学会で報告できるようになったため、旅費支出が予定よりも膨らんだ。それによって元々今年度で購入する予定のシミュレーション用コンピュータのための予算が不足になった。そのため、その部分を次年度に繰越、次年度予算に合わせた機材購入プランに変更した。
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次年度使用額の使用計画 |
シミュレーション用コンピュータの購入
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