研究課題/領域番号 |
26870723
|
研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
廣井 富 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (80405927)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | ロボティクス / 拡張現実感 / デザイン / 生活支援 |
研究実績の概要 |
生活支援ロボットは単に性能が良いだけでは一般ユーザに受け入れられない.本研究の目的は,恐怖感をユーザに与えない,親しみやすいロボットの開発である.このようなロボットが開発されると,病院等へのロボットの普及が急速に高まる効果が期待される.そこで,下記2点を行う. (1)生活支援ロボットが人間に接近してくる際にその状態を提示する小型のコミュニケーションロボットの開発 (2)開発したロボットを実装し,生活支援ロボットが人間に接近してくる際に人間が受ける恐怖感を低減する手法を開発する 26年度は,(I)「生活支援ロボットが人間に接近してくる際にその状態の提示をするロボットアバタのデザインを設定すること」 まず,サブテーマである「拡張現実感を用いたロボットアバタの動作予告の動作の選定」の準備を行った.様々な動作を試すには経済的・時間的な限界がある.そこで様々な動作をCGにより比較することが可能な拡張現実感という技術を用いた.カメラが付いたヘッドマウントディスプレイを装着することであたかもそこにロボットが存在するかの様に見える.実験を行うために,移動ロボットの製作を行った.次に実験の具体的方法について述べる.白い箱型(CG)の移動ロボット(実機)の上に搭載されたロボットアバタ(CG)のサイズを3種類変更した.白い箱型ロボットの高さは約1.2mとした.実験参加者の正面3m程度の位置にロボットを配置し,約0.4m/sで実験参加者に接近させた.アンケートは,ロボットの「見やすさ」と「恐怖感」について7段階で評価させ,その理由についても記載してもらった.次にロボットアバタの目の色と体の色について7種類を用意し,実験参加者の正面3m程度離れた地点で刺激を提示し,ロボットの「見やすさ」,「親近感」,「信頼性」について評価してもらった.結果としてサイズ,色ともに決定することができた.これを他の生活支援ロボットに実装し,評価を試みた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、26年度に「生活支援ロボットが人間に接近してくる際にその状態の提示をするロボットアバタのデザインを設定すること」とこれを用いた「動作予告の動作の選定」の2点を行う予定であった.前者は,予定通り開発・評価が終了した.後者については,ヘッドマウントディスプレイが入手困難な事態があったため,当初27年度に行う予定であった「生活支援ロボットが人間に接近してくる際にその状態を提示する小型のコミュニケーションロボットの開発」の実機開発を先に行った.27年度には,拡張現実感による動作予告の選定と実機による評価を行う.
|
今後の研究の推進方策 |
平成27年度は, (2)開発したロボットを実装し,生活支援ロボットが人間に接近してくる際に人間が受ける恐怖感を低減する手法を開発する ために「動作予告」の選定を拡張現実感を用いて行い,それを実機で評価する.同時に数種類の生活支援ロボットの製作を行い,これにロボットアバタを搭載し,恐怖感をユーザに与えない,親しみやすいロボットの開発を目指す.
|
次年度使用額が生じた理由 |
所望のヘッドマウントディスプレイ(HMD)が入手ができず,それ用のソフトウェアの購入ができなかったため.
|
次年度使用額の使用計画 |
上記,ソフトウェアを購入する.状態提示および移動ロボットの製作のために使用する.また,国内学会,国際学会発表に用いる.
|