イオン液体は常温で液体の有機塩であり、既存の水系・有機系溶媒に換わって生体触媒の新たな反応溶媒として注目される。しかしイオン液体による細菌宿主の生育阻害や酵素の失活が問題であり、解決策が模索されている。 本研究では、親水性イオン液体[BMIM][Cl]耐性Bacillus amyloliquefaciens CMW1を発見した。10% (631 mM) [BMIM][Cl]で多くの細菌は生育できないが、本菌株は良好に生育した。ゲノムDNAを解読して、細菌のイオン液体耐性に関与する遺伝子を推定した。本菌株のプロテアーゼは各種イオン液体に耐性を示し、塩耐性、アルカリ耐性、有機溶媒耐性をも示した。
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