研究期間を通じて、夏季および冬季の雷放電について雷放電路と電界変化観測を継続した。高分解能気象レーダによる雷雲の観測も並行し、種々の観測結果の総合的な解析から潜在的積乱雲エネルギーのリモートセンシングを行った。 落雷で中和される電荷が点電荷とする電荷量推定ではなく、放電路を考慮した中和電荷量推定を行うことで、雲放電を含む水平方向に長く進展する雷放電で中和される凡その電荷量推定を実現した。一連の雷活動に関わる雷雲内電荷量と位置を把握することができ、レーダの観測範囲内を通過した雷雲では、雷活動のピーク直前に雷雲内の対流活動が活発になり、雷活動時には高高度域から衰退する様子が認められた。
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